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夢見の国
第2章 甘美な冷遇
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男二人は顔を見合わせてからもう一度こっちを見た。
「何よっ!」と心底怒り狂っているあたしを見て、納得したような良くわからない反応を返して頷く。
そして、何事もなかったかのようにお互い頷き合うと、あたしに一瞥だけくれたゼイルは大人しく部屋から無言で立ち去った。
去り際に見せた視線から、少しだけ憐れみを感じた気がしたが気のせいだったのだろうか?
ゼイルが立ち去るのを見送ると、パタンと扉を後ろ手に閉め、ラーストがこっちを見つめた。
「さて…」
カツンカツン。
部屋に響くラーストのブーツ音が近づいてくる。
ラーストの雰囲気が、先程とはガラリと変わってしまった事に気付いてしまい、思わず寝台から立ち上がった。
「座れ」
「……っ!」
上から目線の命令口調で言われているのに、頭にくるどころか、背中が冷たくなってゆく。
あんなに惹かれた男を、今はただ怖いと感じている状況が自分で理解出来ないと思いながら、ラーストの言っていた守護長の任務という言葉を思い出していた。
どんな任務なんだろう、と。
「何度も言わせるな。座れ」
「……」
言われるままに寝台に再び腰掛け、あたしは銀の瞳に射られたかの様に動けなくなった。
「いいか?俺の言う通りにすれば何もしない。だが、逆らえば恐い目に合わせる」
「な、何を…!?きゃぁっ」
抱き抱えられたと思ったら、寝台の枕の辺りに降ろされた。
寝台の天井から吊されたカーテンの紐を左右から引っ張り、あたしはいつの間にか両手を縛られていた。
「ラ、ラーストさ…!?何を、何…っ?」
男二人は顔を見合わせてからもう一度こっちを見た。
「何よっ!」と心底怒り狂っているあたしを見て、納得したような良くわからない反応を返して頷く。
そして、何事もなかったかのようにお互い頷き合うと、あたしに一瞥だけくれたゼイルは大人しく部屋から無言で立ち去った。
去り際に見せた視線から、少しだけ憐れみを感じた気がしたが気のせいだったのだろうか?
ゼイルが立ち去るのを見送ると、パタンと扉を後ろ手に閉め、ラーストがこっちを見つめた。
「さて…」
カツンカツン。
部屋に響くラーストのブーツ音が近づいてくる。
ラーストの雰囲気が、先程とはガラリと変わってしまった事に気付いてしまい、思わず寝台から立ち上がった。
「座れ」
「……っ!」
上から目線の命令口調で言われているのに、頭にくるどころか、背中が冷たくなってゆく。
あんなに惹かれた男を、今はただ怖いと感じている状況が自分で理解出来ないと思いながら、ラーストの言っていた守護長の任務という言葉を思い出していた。
どんな任務なんだろう、と。
「何度も言わせるな。座れ」
「……」
言われるままに寝台に再び腰掛け、あたしは銀の瞳に射られたかの様に動けなくなった。
「いいか?俺の言う通りにすれば何もしない。だが、逆らえば恐い目に合わせる」
「な、何を…!?きゃぁっ」
抱き抱えられたと思ったら、寝台の枕の辺りに降ろされた。
寝台の天井から吊されたカーテンの紐を左右から引っ張り、あたしはいつの間にか両手を縛られていた。
「ラ、ラーストさ…!?何を、何…っ?」