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夢見の国
第2章 甘美な冷遇
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ラーストが、さも当然といった様子でブーツのまま寝台に上がってきた。

訳の分からない焦りと恐怖が、あたしの体を更に震わせ始める。


「何を…!?」

「言う事を聞けば何もしないと忠告はしたぞ」


ジーッ、とジャージのジッパーが下げられてゆく。


「…っ、ちょっと!?」

「異国の服装は理解出来んが、コレは便利そうだな」


ラーストがあたしの反応を見ながら呟き、薄く笑った。


「…脱がせやすい」

「やっ!?…やだっ、やめてよ!ちゃんと脱ぐ、自分で脱ぐから!」


あたしはよく分からない恐怖に震えていた。

ラーストの視線には、もう殺気はない。

だが、まるで自分が処女の様に、あたしは心底震え上がっていたのだ。


大丈夫、落ち着け。

恋人がいたじゃない、こんなの脅しよ、たいした事じゃない。


そう自分に言い聞かせてみるが、ふと我に返る。


(…って、この先からどうなるんだっけ?)


さーっと自分の血の気がなくなる音を聞いた。

訳も分からず急激に怖くなる。

何故なのか、男女の営みの知識が、記憶から抜け落ちた様に無くなっていた。

ラーストから見ても、あたしの震えは明らかだろう。


「…いやぁ、やめて…っ!」

「お前が言ってた証明とやらに今すぐこの服が必要なんだよ」


ラーストの指先がジッパーを下げてゆく。

パジャマなので、もちろん下着はつけていなかった。

まだ明るい部屋の元、薄い肌があらわになる。

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