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夢見の国
第2章 甘美な冷遇
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重い音を立てながら、その大きな門は開いた。
武装した男達が左右に別れ、恭しく頭を下げる。
「守護長ラースト様、お勤めお疲れ様です」
「ラースト長、お帰りなさいませ」
ラーストを信頼しきった目で見上げ、こっちを見向きもしない。
いかにも怪しげなあたしに何故…?と我ながら情けない疑問の言葉を心で呟き、自分で落ち込む。
ゆっくりとラーストは馬を進めた。
ルイザの里の道は、綺麗な石畳だった。
所々に輝く石をはめているのを見るに、とても豊かな国らしい。
信頼の眼差しを瞳に讃えた人々からの挨拶に返事をしながら、ラーストは立派な館の前であたしを下ろした。
「…こ、ここは…?」
「我が館だ」
ふわりと馬からラーストが降りると、何処からか男たちや召使たちがやって来て、恭しく頭を下げた。
馬の体を労うように、ラーストは優しく撫でるのを待ってから、召使の一人が馬を連れて行く。
「お帰りなさいませ、ラースト様」
「留守の間は変わりなかったか、ゼイル?」
現れた者たちの中で一際目立つ存在の男は、ラーストにゼイルと呼ばれた。
「はい」
頭を下げたままそう答えたゼイルの金髪が風に煽られ、美しい容貌と明るい色をした瞳が現れる。
瞳は光を受けて金色に輝き、その奥に強い意思と知恵が海間見えた。
ついつい見とれていると視線が合い、ゼイルに初めて存在を話題にさせられた。
「…ラースト様、今回はおなごですか」
「ああ…」
重い音を立てながら、その大きな門は開いた。
武装した男達が左右に別れ、恭しく頭を下げる。
「守護長ラースト様、お勤めお疲れ様です」
「ラースト長、お帰りなさいませ」
ラーストを信頼しきった目で見上げ、こっちを見向きもしない。
いかにも怪しげなあたしに何故…?と我ながら情けない疑問の言葉を心で呟き、自分で落ち込む。
ゆっくりとラーストは馬を進めた。
ルイザの里の道は、綺麗な石畳だった。
所々に輝く石をはめているのを見るに、とても豊かな国らしい。
信頼の眼差しを瞳に讃えた人々からの挨拶に返事をしながら、ラーストは立派な館の前であたしを下ろした。
「…こ、ここは…?」
「我が館だ」
ふわりと馬からラーストが降りると、何処からか男たちや召使たちがやって来て、恭しく頭を下げた。
馬の体を労うように、ラーストは優しく撫でるのを待ってから、召使の一人が馬を連れて行く。
「お帰りなさいませ、ラースト様」
「留守の間は変わりなかったか、ゼイル?」
現れた者たちの中で一際目立つ存在の男は、ラーストにゼイルと呼ばれた。
「はい」
頭を下げたままそう答えたゼイルの金髪が風に煽られ、美しい容貌と明るい色をした瞳が現れる。
瞳は光を受けて金色に輝き、その奥に強い意思と知恵が海間見えた。
ついつい見とれていると視線が合い、ゼイルに初めて存在を話題にさせられた。
「…ラースト様、今回はおなごですか」
「ああ…」