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異聞 ヘンゼルとグレーテル
第4章 3
「ひっ、や……やだっ、あぁっ」
 魔女がグレーテルを閨に連れて行き、暫くすると必ず聞こえてくる高い声。初めはただの悲鳴だったそれが最近変わってきていることに、ヘンゼルは気付いていた。
「あっ、あっ、あん、あぁん」
 嫌がりながらも何処かうっとりとした甘えを含むその声に、ヘンゼルはソワソワと落ち着かなくなってしまう。ドキドキ高鳴る心臓も、熱を持ち硬く屹立する自身もどうしたら良いのか分からない。分からないどころか『おにいちゃん、たすけて』と自分を呼ぶ声にまで、熱く反応してしまう。
「んん、やっ、だ……あぁっ、ごしゅじん さ、まぁ……」
「顔が蕩けてるよ、グレーテル。そんなにコレが嬉しいかい?」
「やっ、ちっちがっ、あぁんっ」
「嫌?なら止めようか?」
「い、やっ……んんっ」
 それはサレる事が嫌なのか、ヤメる事が嫌なのか……
 強請る様な声にヘンゼルの心臓はドクンと大きく跳ね、自身は更に熱くなる。ヘンゼルは少しでもグレーテルの声を遮ろうと籠の隅に置かれた布団の中に潜り込んだ。身体を縮ませ、痛む程の疼きをただ耐えて。

 わざと扉を開け放し、グレーテルの声をヘンゼルに聞かせていた魔女は、思惑通り自分の身体と感情をもて余して苦しむヘンゼルの様子を遠視で見ながら口角を吊り上げた。歪んだ笑みでグレーテルを見下ろし、彼女の心をも打ち砕いていく。
「腰が揺れてるよ?グレーテル。もっと、して欲しいんだろう?」
「ち、が……」
 左右に首を振って否定しても、中途半端な愛撫に熱を帯びた身体は物足りなさに震えてしまう。グレーテルはそんな自分の身体に戸惑い、動揺を隠せずにいた。

 どう、して?
 いやよ、いや。

 いや、なのに……

 毎夜飲まされる薬草茶と魔女の卓越した手練。狂わされた無垢な身体はグレーテルの心を置き去りにしたまま快楽を求め熱くなる。
「素直じゃないのは気に入らないね」
 グレーテルの戸惑いを見透かし、魔女がパチンと指を鳴らす。
「どうして欲しいのか、自分で触って見せるんだ」
「えっ……やだっ、や、だぁっ!」
 命じられた身体は素直にその手と指とを白い肌に伝わせる。赤く腫れた二つの芽を摘まみ、捻って甘い刺激をもっとと求める。いやいやと首を振りながらもグレーテルの喉を鳴らすのは快楽に蕩けた甘い嬌声。
「あっ、あんっ、や、あぁっ」
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