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異聞 ヘンゼルとグレーテル
第4章 3
ヘンゼルは狂いそうな自身はそのままに、布団をはね除け、昂る身体を冷たい柵へ打ち付けた。
「や、めろ……止めろー!」
 喉が裂けんばかりの咆哮と金属にぶつかる鈍い音。グレーテルの高い声を遮るように繰り返す悲痛な響きを魔女がグレーテルに聞かせる訳もなく。
「教えてあげただろう?グレーテル」
 散々涅ぶられ赤く熟れた芽を爪で掻いては何度も弾き、グレーテルに甘い悲鳴を上げさせる。
「上手にオネダリ出来たら、解放してあげよう」
「や……いや……」
 酷薄な魔女の笑みに恐怖を感じ、グレーテルの喉が引きつれる。怯えた瞳に魔女が口角を引き上げ、笑みを深めた。
 パチンと高らかに鳴った指の音。
「グレーテル。どこを、どうして欲しいんだい?」
「や……や、だ……」
 従順な幼い左手は汗の滲む肌を滑り落ち、柔く小さな丘に辿り着く。震えながらゆるゆると開かれた膝と膝。グレーテルは自らの手で秘めるべきソコを魔女に向けてさらけ出した。
「ご、ごしゅじんさま……おねがい、しま、す」
 掠れた声で紡がれた言葉がヘンゼルの心に突き刺さる。
 グレーテルは魔女の命に縛られている。それは十分過ぎる程に分かっている。でも、自らの罪悪感に押し潰されそうになっているヘンゼルには、おもねっているようにも聞こえてしまい……

 違う!違う!!
 そうじゃない!
 グレーテルを、助けなきゃ!
 
 全てを打ち消す様に籠の扉にその身をぶつけた。
「やめろー!グレーテルを、離せー!」
 魔女により閉ざされているはずのグレーテルの耳にヘンゼルの声が僅かに届き、泣き乱れた瞳から更に涙が溢れだす。
「おにいちゃあんっ!」
二人の声など聞かなかったように魔女が口角を吊り上げる。
「それじゃあ、何をお願いされてるのか分からないね?」
 絡み付く様な言葉に意識を身体に戻されて、グレーテルから甘い吐息が漏れた。
大きく足を開き、魔女に向かってさらされた幼い秘裂。上端にある花芯は熱く熟れ、触れて欲しそうにぷくりとその存在を主張する。その下に続く小さな襞はヒクヒクと震えては若い蜜を溢れさせ、甘く香って魔女を誘う。
「あぁ、グレーテル。可愛いね」
どこかうっとりとしたその囁き。細めた瞳でグレーテルを見据え、魔女は「さぁ」と続きを促した。
「ソコを、どうして欲しいんだい?」
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