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第1章 序

　「そりゃあ、そうだろうなあ、、離れたところに其なりの数の男のお巡りを配置すると思うよっ」

　「でしょ？。だから、婦警さんを囮にして暴行魔を捕まえれば良いのよっ！」

　「に、したって、婦警さんが暴行魔に襲われる瞬間はあるわけだろう？。その時に、洋服を引き裂かれてワイセツなことをされたりしたらどうするんだよっ？」

　俺は、一昨夜に自分がやったことを言ってしまった。

　「まあ、それはさあ、、婦警さんには、、それも任務の内だと思って我慢してもらってさ」

　同じ女の癖に囮役の婦警さんに酷いことを言うなあ、、と思いながら、俺は女房に言う。

　「それに、もしアクシデントがあって警護の男のお巡りたちが婦警さんを見失ったらどうするんだよ？。その間に婦警さんが婦女暴行魔に襲われて強姦でもされたら取り返しがつかなくなるぞっ」

　「ああ、、そういえば、、なんだけど、、、今まで忘れてたことがあるの、、」

　　「忘れてたこと？」

　「今までスッカリ忘れてたのだけど、あなたのアクシデントで婦警さんを見失ったら、、という言葉でピカッと思い出したわ、、。警察事務職員をしてる幼なじみの瑞希から、何年か前に聞いたことなんだけど、、、連続婦女暴行事件の囮捜査をしていた泰県の盤谷警察署の婦警さんが、暴行魔に襲われて強姦されたことがあるんですって。なんでも、あなたがさっき言ったように、アクシデントが何度も重なって、警護の男性警察官たちが婦警さんを見失っているうちに暴行魔に婦警さんが襲われて強姦されてしまったらしいの、、、それ以降、国の警察行政局から全国の警察本部に婦警さんを連続婦女暴行事件の囮捜査に使うことを禁止する通達が出されたんだって、、」

　「そんな事件があったのか、、。でも、メディアからの情報では聞いたことがないけどな」
　
　「囮捜査の不手際で婦警さんが連続婦女暴行魔に襲われて強姦されたなんて、、そんな警察の威信にかかわることを公表するわけないでしょ」

　「う～ん。まあ、そうなんだけども、被害者の婦警さんはどうなんだよ、、告訴はしなかったのかよ」

　「何故か未解決のまま捜査は終了されて、婦警さんが強姦されて以降、、事件も終息したらしいの。瑞希は、暴行魔との間になにか取引があったのかも知れないって言ってたけど、そこら辺の真実は不明らしいわ、、、」