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純愛ハンター
第8章 裁き8、マイスイートホーム
しかし…父はお嬢の目の前で、まるで片思いに苦しむ男が必死に懇願するかのように真紀を激しく求めていた。

「真紀…んっ…チュッ…はぁ、ペチャっ…あふっ、真紀ぃ…」

父はお嬢には与えた事のない甘いキスを真紀にこれでもかと浴びせ…
お嬢には決して与えない甘い抱擁で真紀を熱く抱き寄せ…
お嬢には決して見せない表情で真紀を至近距離でウットリ見つめ…

「お父様は真紀に恋をしてるんだよ…苦しくてたまらないんだ…」

お嬢には決して漏らす事のなかった愛の言葉をこれでもかと吐き…
事もあろうに目にうっすら涙を浮かべていた…。
そして、真紀がふと顔を横に向けた瞬間…

「………」

ドアの隙間からその様子を覗いていたお嬢と目が合った…。
真紀に、まるで『お父様は私のモノよ』と言わんばかりの勝ち誇った視線を浴びせられた…ようにお嬢には感じられた…。
お嬢はそっとドアを閉じると、泣く事も喚く事もなく静かに自分の部屋へ戻った。

(…私がちゃんとお父様に優しく出来てなかったから、真紀とああする事で私を戒めているんだ…あれはお父様の私への罰なんだ…私がちゃんとお父様を満足させてないからいけないんだ…!)

お嬢はそう強く思うと、壁の向こう側からうっすらと漏れ聞こえる真紀の呻き声を下唇を噛みしめながらじっと受け止めた。
お嬢は父から与えられたこれ以上ない厳しい罰を、一滴の涙もこぼす事なくしっかりとその身で受け止め続けた。

「んっ…あぁっ…私、お父様との子供が欲しい…!」

その晩、お嬢は父に抱かれている最中にそんな事を口走った。
心からの嘘偽りない本音ではあったが、どこか妹の真紀への対抗心めいた気持ちがそんな事をお嬢に言わせた。だが、

(はっ…!)

父はお嬢に体罰を与える際に見せる強張った表情を瞬間的に覗かせ、お嬢は咄嗟に両腕で顔を覆って身構えた。

「緑…お前、女になってしまったんだな…」
「え…?」

父はお嬢を殴る事なくそう呟くと、これまで一度も見せた事がない程に冷め切り、なおかつ侮蔑的な表情をお嬢へ向けた。

(え…?お父様っ…嫌だぁ…そんな顔しないでっ…!気に障ったんならブってよぉ…叩いてよぉっ…!)

それと同時に、お嬢の中で雄雄しく存在していた父自身はみるみる力を失い、ズルリ…とお嬢の中から抜け出てしまった。

「ヤダっ…!お父様…そんなっ…どうしてぇ…?」
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