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純愛ハンター
第2章 裁き2、ブスになる魔法
「…みんな…優しかった…何でぇ…?可愛い可愛いってチヤホヤしてくれて…女の子たちも嫉妬の眼差しを向けてくれて…グスッ…なっ…何でなのぉぉ~っ!」

昼間の出来事が忘れられない野波は夜中の12時過ぎにも関わらず、取り憑かれたように『西武学園ナミャラ』の前へ再び足を運んだ。
そして、夜の街にひとり立つ美少女に男が声をかけて来るまでは10秒も必要なかった。

「…君、ひとり?こんな遅くに何してんの?」
「何って…誰か…男の人に優しくされたくて…チヤホヤされたくて立ってるんです…」

そして野波は男に誘われるままホテルへ向かい、容姿を褒めちぎられながらの麻薬さながらのセックスに心の底から酔いしれた。
…その後野波は、こうして街中で誘いをかけてきた全ての男とのセックスに応じ続け、約1年で300人あまりの男と関係を持った。
そして、何度も性病にかかっては投薬治療で散らす事を繰り返しながらも、行きずりの男たちと肉体関係を持つ事を止める事は出来なかった…。だが、ある頃から、

『お前みたいなブスは性欲のはけ口としてしか価値がねぇんだからな…!』
(嫌っ…そんなの嫌だ…怖い怖い怖いっ…!)

男に吐かれた言葉が脳内に日常的にフラッシュバックしはじめ、野波はまたもや自分を『ブス』なのでは?と再び疑うようになり、これまで以上の被害妄想的な対人恐怖に取り憑かれるようになり…

(私がこんな誰にも愛されない女になったのはヤツのせいだ…!許さない…絶対に許さない…!)

男への復讐を強く誓ったのだった…。


「………そんな時に自宅のポストに入ってたフリーペーパーに『純愛ハンター』の広告が載ってて…タイミング的にも運命なんじゃないかと思って…少し迷ったんですけどメールさせて頂いてこうしてお話を聞いて貰ってる訳で…」

野波の話がひと通り終わるとお嬢は目頭に手を当て、ふぅ…と深いため息をついた。
だが玲子は満面の笑顔で野波の目の前に歩み寄ると、

「その男…アンタが可愛いって事を気付かせてくれたすっごくイイ男じゃないの…?そんな大恩人に復讐したいだなんて…逆恨みも甚だしいわぁ…クスッ…」

嬉々として言った。

「玲子…それ、ちょっと酷いわよ…!」
「さ、逆恨みだなんて!私…コテンパに騙されて…セックス依存症みたくなっちゃったのに…そんな言い方って…」
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