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純愛ハンター
第2章 裁き2、ブスになる魔法
「でもさぁ?300人近くの男とのセックス…超~ぉ気持ち良かったんでしょ?雨の日も風の日も毎日コツコツナンパ待ちする程に…誰か早く私におチ●ポブチ込んでくれないかしらぁ?ってウズウズしながら」
「それはっ!気持ちイイとかじゃなくって…心の穴を埋めるために仕方なく…ホントに辛かったのに…ホントにどうしようもなかったのに…!うっ…うううっ…!」

テーブルに肘を付いて嗚咽する野波の前に、玲子は調査資料と思われる書類をスッ…と差し出した。

「えっ?グスっ…コレは…?」

野波は書類に目を通しはじめるとピタリと泣き止み、驚愕の表情を浮かべた。

「こ、ここまで…調べあげてたんですね…」
「…アンタを面倒くさいメンヘラビッチにした男の名前は二宮武、叔父の経営するランキングリサーチ系の会社に勤務する24歳独身、大学時代の同級生と婚約中。身長169cm体重89kgの犬顔ぽっちゃりメガネ…」
「………!」

お嬢は下唇を強く噛み締めると、玲子の横顔を刺すように睨み付けた。

「学校…職場…全てのコミュニティで徹底した良い人キャラで通している癒やし系クズ男…そんな見た目を活かしてアンタのような女を次々と飼いならし、計31人の女性のハメ撮り動画で荒稼ぎ…」
「さっ…31人も…?」
「そのうちの数人が警察に駆け込んだものの、証拠の動画がかえって同意とみなされて被害届は受理されず…20人以上がアンタのようにメンヘラ化し、そのうち7人が重度の薬物依存に陥り…うち3人がほとんど自殺のようなヤケクソ的な死に方をした…」

玲子はそこまで言うと、表情を和らげた。

「…さっき逆恨みするなって言ったのはね、アンタにだけじゃなくって自分に対しても言ったのよ…」
「自分に…?」
「私もね、昔…こういう人畜無害そうな男に依存してボロボロになるまで支配された事があったから…」
「玲子さんみたいな…強そうな人でも…」
「自信がカラッポ状態になった女ってね、愛した男で何もかもを埋めてしまおうとするものなのよ…」

お嬢は眉間にシワを寄せ、玲子から顔を背けるように床のアンティークレンガを凝視した。

「純愛の傷は逆恨みの感情でしか癒せない」
「え?」
「もし、このクズ野郎に幼なじみの情とかがあって復讐を止めたいなら今のうちよ…それもあなたの判断として尊重するけど?」

すると野波は力強く立ち上がった。
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