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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
              
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 札幌・羽田便が運航を再開したのは、その日の午後三時近くだった。
「はっ、はい。これからすぐ飛行機に乗り込みます。台風ですか? いや、羽田に着陸できるかどうかが問題でして……。はい? 何の出張だったのかって? 大きな商談だと専務にもご報告したはずですよ」
 携帯を通して、田野倉の声がガチガチ震えるのがわかる。
「えっ? 女ですか? もちろん一歩も外に出るなと伝えてあります。専務たちのことですか? 言うわけありませんよ。あいつは何も勘づいていません。そんなに頭のいい女じゃあありませんから。いいのは、あっちのほうだけで……。いえ、何でもありません」
 言い訳たらたらの田野倉の電話を叩き切ると、木庭茂と浩一の二人はベンツを羽田空港に走らせた。一刻も早くあの馬鹿を拾って、例のマンションに向かわなくてはならない。
 豪雨の影響で、道路はどこもかしこも大渋滞だった。
 多摩堤通りから目黒通りに出て、等々力不動前を右に折れて環八に入る。成城から羽田まで、普段なら一時間かかるかどうかのいつものコースが、一時間経っても半分と進まない。
「ちくしょう。昨晩からの重労働に加えて、この渋滞かよ。これも、みんな田野倉のせいだ」
「本当だ。あの助平野郎のおかげで、何でこんな目に遭わなくちゃあならないんだよ」
 重労働の中には、快楽に精力を使い果たした昨夜の分も入っていたが、そんなことは棚に上げ、茂も浩一もそこにいない田野倉に罵詈雑言を浴びせまくった。
 こんなことなら、あのアラミスとかいう女を成城の屋敷に運んだりしないで、車の中で玩具代わりにすればよかった。
 ようやくのことでベンツが空港駐車場に辿り着いたのは、五時三十分を回った頃だった。車中、茂は十本以上のタバコを灰にしていた。
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