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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
「了解!」「了解!」
 四つの声が返ってくる。坂上と工藤は、普段の仕事に出かける時と同じ「海綿清掃」のグリーンの作業着に着替えを終えていた。
「打ち合わせ通り、途中で例の秘密兵器を拾って、現地に向かいます」
 午前九時二十分。
 江東区住吉五丁目のマンション「パークサイド・パレス」の前を、一台のバンが通り過ぎた。いくらかくたびれたグレイのボディーに「海綿清掃」の文字が見える。バンはマンションの駐車場には入らず、二百メートルほど先の百円パーキングに停まった。
 大雨の中だというのに、若い作業員が三人、大きな荷物を抱えて車から降りてくる。グリーンの作業服に黒のキャップというお揃いの格好だ。
 一人は腹が突き出た肥満体、運転席から降りてきたもう一人は、反対に針金のような体形だった。後部座席から降りた三人目は、ほかの二人に比べてえらく小柄で、グリーンの作業服もだぶだぶに見えた。
「パークサイド・パレス」の正面口に向かうと、肥った一人が、エントランスに設置された来客用のインタホンを鳴らした。
「さっきお電話を入れた『海綿清掃』の者です。一〇二四号室のお客様からご依頼があって、台所のパイプ詰まりの修理に伺いました」
 返事の代わりに、キーが開錠される音が聞こえる。荷物を抱えてマンションの中に入ると、入り口脇の事務室で競馬新聞を広げていた管理人が、眼鏡をずり上げ、手だけで「行けよ」と合図した。
 三人は順々にエレベーターに乗り込む。一〇二四号室。マンション最上階の左端の部屋だ。廊下を進み、その部屋の前に辿り着くと、今度も先頭の肥った男がチャイムボタンを押した。
 中から「はい」という女の声が聞こえる。
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