この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
独占欲に捕らわれて
第7章 苦悩
水曜日、紅玲からの呼び出しがなかったため、千聖は久しぶりにひとりで居酒屋へ行こうと、ヒールの音を響かせながら、夜の街を歩く。
「どこで呑もうかしら?」
今まで行った居酒屋のメニューを思い浮かべながら歩いていると、ふたり組の女性とすれ違う。
「ねぇ、さっきのヤバくない? あんな修羅場初めて見たわ」
「ねー。てかあの白メッシュの男の人イケメンだったー! バンドマンかな?」
「だとしたらウケるー! てか、そうだったらあの男が悪いんじゃん?」
女性達はゲラゲラと笑い声を上げながら、千聖の横を通り過ぎた。

(白メッシュのバンドマン……?)
「まさか……!」
紅玲と一致するふたつの特徴に胸騒ぎを覚えた千聖は、駆け足で彼女達が来た方向へ向かう。角を曲がろうとすると、誰かにぶつかり、転びそうになる。
「きゃあっ!?」
「ちょっと、危ないじゃない! なに考えてるのよ!」
ぶつかってしまった女性はウェーブのかかった髪やシフォンスカートに似合わない、蔑むような口調と目で言うと、早歩きでその場を去った。

「感じ悪い……。って、今はそれどころじゃなくて……!」
千聖は曲がった先を見たが、人通りが少ない道に、紅玲の姿はどこにもない。それどころか、白メッシュにバンドマンの様な服装の男すらいなかった。
「……なにしてんだろ、私……」
紅玲の姿がなかったというのに、千聖はもやもやした気持ちを抱えたまま、近くの居酒屋に入った。

ふたり掛けの席に案内されると、さっそくハイボールを注文する。運ばれてくると、もやもやした気持ちを誤魔化すように飲み干すが、気持ちが晴れることは無い。
この近辺にはライブハウスや、生演奏が売りの飲み屋がいくつかある。紅玲と似たような容姿の男はいくらでもいる。千聖はそのことを知ってはいるが、どうしても気になって仕方がない。

「お姉さんどーしたの? しんみりしちゃって。失恋でもした? 一緒にどうよ?」
ロン毛茶髪の男は断りもなしに、ビール片手に千聖の前に座る。
/111ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ