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罪人の島
第2章 島へ
「ありがとうございます。部屋に戻る前に、厚かましくて申し訳ないのですが、お水のボトルがあったら頂けますか?」
「構いませんよ。2本でいいですか?」
「はい、結構です。すみません」
とりあえず、お辞儀をしてその場を離れた。
よく考えてから行動しないければいけないと、この状況を不安に思っている自分がどこかにいた。
美奈子が船室の方に階段を降りて行くと、絵里も目を覚ましたらしく、廊下にいた。
「絵里、おはよう! お水、もらって来たわよ」
「おはよう! さすが美奈子。あと少しでミイラになるかと思ってたところよ」
そう言って、冷えた水のボトルを受け取ると、絵里はおいしそうにゴクゴクと飲んだ。朝食は要らないと言う絵里に、着替えを渡した。
「なんかこう、至れり尽くせり、よね?」
「えぇ、そうね。でも、これからは、お手伝いも歓迎みたいよ」
「そうなの?」
「着替え、広げて見てみて」
絵里は美奈子に言われた通り、ワンピースを広げてみた。
「えーっ! これ制服じゃん」
「ね? 言ったでしょ」
「なるほどねー。何だか院長にしてやられた感じ」
「でもね、知ってる顔をたくさん見せてもらったわ」
「え? 何の話?」
美奈子は、地下牢のような場所に案内され、そこで見た大川や、その他の虐待加害者である親たちのことを話した。
絵里の方が昨夜の記憶がしっかりしていたらしく、二人で話し合うことで、全てのピースがつながった。
「あぁ、じゃあ、あいつらも、もう船の中にいるんだ。そこまでは知らなかったな」
「私たちが手伝うとしたら、どんなことができるのかしら?」
「それは行ってみないとわからないでしょ?」
「そうね……。私、子供達のために、本気で頑張るわ」
「私も付き合うわよ。私がいないと、美奈子も院長も心配だし」
「あら、今朝は1番最後まで眠っていたんじゃなかったっけ?」
「私は後半に強いタイプだから」
二人が冗談を言っている間にも船は島へと近づいていた。
島の稜線が見え始めてから、だんだん形になって行く。
温暖な気候だが、ゴツゴツとした岩の多い島だった。
そしてそれは、正義感に満ちた二人の気持ちとは少し違う諸々を孕んだ島だった。
「構いませんよ。2本でいいですか?」
「はい、結構です。すみません」
とりあえず、お辞儀をしてその場を離れた。
よく考えてから行動しないければいけないと、この状況を不安に思っている自分がどこかにいた。
美奈子が船室の方に階段を降りて行くと、絵里も目を覚ましたらしく、廊下にいた。
「絵里、おはよう! お水、もらって来たわよ」
「おはよう! さすが美奈子。あと少しでミイラになるかと思ってたところよ」
そう言って、冷えた水のボトルを受け取ると、絵里はおいしそうにゴクゴクと飲んだ。朝食は要らないと言う絵里に、着替えを渡した。
「なんかこう、至れり尽くせり、よね?」
「えぇ、そうね。でも、これからは、お手伝いも歓迎みたいよ」
「そうなの?」
「着替え、広げて見てみて」
絵里は美奈子に言われた通り、ワンピースを広げてみた。
「えーっ! これ制服じゃん」
「ね? 言ったでしょ」
「なるほどねー。何だか院長にしてやられた感じ」
「でもね、知ってる顔をたくさん見せてもらったわ」
「え? 何の話?」
美奈子は、地下牢のような場所に案内され、そこで見た大川や、その他の虐待加害者である親たちのことを話した。
絵里の方が昨夜の記憶がしっかりしていたらしく、二人で話し合うことで、全てのピースがつながった。
「あぁ、じゃあ、あいつらも、もう船の中にいるんだ。そこまでは知らなかったな」
「私たちが手伝うとしたら、どんなことができるのかしら?」
「それは行ってみないとわからないでしょ?」
「そうね……。私、子供達のために、本気で頑張るわ」
「私も付き合うわよ。私がいないと、美奈子も院長も心配だし」
「あら、今朝は1番最後まで眠っていたんじゃなかったっけ?」
「私は後半に強いタイプだから」
二人が冗談を言っている間にも船は島へと近づいていた。
島の稜線が見え始めてから、だんだん形になって行く。
温暖な気候だが、ゴツゴツとした岩の多い島だった。
そしてそれは、正義感に満ちた二人の気持ちとは少し違う諸々を孕んだ島だった。