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罪人の島
第4章 飼育
 子供の頃、母親にお尻を叩かれたことがあったかしら?
 とっさに美奈子は、そんなことを考えた。
 でも、記憶を手繰ってみても、そういうものは見つからなかった。
 麗子に叩かれ、身体がキュッと締まった感じがした。

 シャワー室は小さかったが、美奈子には十分な大きさだった。
 そして、とにかく急いでシャワーを浴びて戻ろうと思っていた。
 なぜ、こんな目に遭ったのか、よくわからなかったが、景山が美奈子を止めようとしていたのは、こういうことを知っていたせいかもしれなかった。
 だとしたら、だまっていても、こういうことが起こったかもしれないと景山は想像しているのだろうか?
 それを考えると、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしかった。

「遅いじゃない。10分って言ったでしょ? 12分もかかってるわ」
「ごめんなさい。私……」
「言い訳はいらない。そこのバインダーを持って、さっさとついて来なさい」
「はい」

 麗子は、前をスタスタと歩いて行くので、美奈子は、数歩遅れて、後ろをついて行った。

 診察室の表側に出て歩き続けると、正面玄関にたどり着いた。
 自動扉から外に出ると、太陽が眩しかった。
 来る時には通らなかった道が病院棟の目の前にあった。

 麗子がツカツカと道を渡って、HOTELの文字のある向かいの建物の中に入った。
 正確に言うと、扉よりも手前の壁沿いを入ったところ、すぐ右側にエレベーターの扉があった。
 麗子の指紋認証で、すぐにエレベーターの扉が開く。
 中に入るとエレベーターは、そのまま、すーっと、地下の方に下りて行った。

 エレベーターを降りると、ピンクとラベンダー色で統一し、装飾された廊下の壁があった。
 少し歩いたところ、壁がアーチ型にくり抜かれたゲートをくぐって扉の中に入った。
 その先は、完全に映画で見る拘置所のような作りになっていて、左右に檻が並んでいた。
 但し、床にはカーペットが敷かれていたし、空調も整っている。
 
 麗子の顔を見ると、背の高い男と白人の女が近寄って来た。

「麗子先生ですね。私は原と言います。そして、こっちはデボラです」
「そう。よろしくね」
「先生、そちらの看護婦さんは、ご一緒にお入りになりますか?」
「えぇ、美奈子って言うの。もちろん一緒に行くのよ」
「わかりました。では、ご案内を……」
「いいのよ。いらない」
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