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罪人の島
第2章 島へ
「武田に興味がありますか?」
「武田さんって仰るんですね。興味というわけではないのですが、ウエイターさんという感じではないな、と思ったのです」
「そうですね。アレでも優しいところのある男ですよ。まぁ、こちら側の人間だから、いろいろな仕事を担ってくれていますがね」
「こちら側って?」
「管理をする側という意味です」
美奈子は、その言葉にハッとして、昨夜のことを思い出した。
そうだった。景山が遺産のオマケのように受け継いだ閉山した銀鉱山のある島に、更生施設を建設するための工事が進んで、完成まであと少しだから見学に行くが、ついて来ないかと誘われたのだった。
鉱山の閉山後は、みかん農家が数軒だけしかないような小さな島で、代々、役場のある土地以外は、全てを所有している景山の先祖が統治して来たらしい。

「警察も昔はいたが、今は、隣にある少し大きめの島にしかいないからね、治外法権のような状態なんですよ」

景山は、そう言った後に、自給自足ができるように放牧を始めたことや、ヘリポートを建設したことなどを話してくれたのだった。



「そういうわけで、これから働く人間がたくさん必要なんですよ」
「それって、私たちのことですか?」
「いや、まだ、そこまでは……。でも、見学をして、手伝ってくれる気になってくれれば嬉しいと思っています。とりあえず、急いで労働力にしたいのは、今回、私が連れて来た連中で、それを管理する仕事の方が、むしろ大変かもしれないのです。まずは懲罰と更生という目的がありますからね。懲らしめて悪いことをしたんだと理解させるんですよ。元いた社会に戻れるかどうかは分からない。でも、訓練することで、変われる可能性があるとしたら、やはり訓練した方がいいでしょう? そのためには、しっかりと労働してもらわなくちゃならない。それが訓練であり、償いになるのですよ」
「なるほど、では、仰っていた罪人を連れて来て訓練するということなのですか?」
「うむ、まぁそういうことです。そうは言っても簡単なことではないんですよ。もっと完全に組織化して、島が目立たないようにしなければなりませんからね」
「……」
「さぁ、食べましょう。話をする時間は、まだたっぷりあるけれど、料理は冷めてしまいますから」
「はい」


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