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呟き…
第9章 どこまでが浮気…6
「本物の石を使う石垣の模型とか無いの?」
次の私の質問が出た瞬間には質問を予期してた悠真ががっくりと項垂れる。
「木材の模型なら確かにある。だけどお前が考えてるレベルでコンクリートとか使うとすれば、それは趣味の域を超えた建設という仕事になるって理解しろ。」
「やっぱり無理?」
「土地から購入する気か!?」
ちょいと聞いてみただけじゃん。
膨れっ面になる私の頭を不機嫌丸出しの悠真が押さえ付けて説教を垂れる。
「趣味の話をしてんだぞ?仕事としてやってる建築から離れろって話をしてんだよな?なのに何が悲しくて土地を買って本物の石で石垣を作るような城とか想像が出来るんや?」
こうなると悠真君は意外としつこい部分がある。
私の願望や妄想が現実レベルを超えると悠真は何故かムキになる。
「本物の石を使う模型があるか聞いただけじゃん。」
「ある訳ねえだろ?お前、普段は俺に常識を考えろとかやたら偉そうに言うよな?なのにお前の常識は模型レベルで本物の素材ってか?1/1スケールとか、もうそれは模型じゃねえよな?来夢さん…。」
これは多分、以前のガンプラで赤い彗星専用機の馬鹿デカイ模型を買いたがる悠真に常識を考えろと私が言った事を根に持ってると推測する。
「へーへー、すみません。常識で考えれば模型に本物素材はありません。」
理屈っぽい男の説教とか真面目に聞くよりも聞き流すに限る。
昔っから変わらない。
悠真は自分が気に入らないとしつこいくらいに文句を言う。
普段が何でも適当に受け流す人だから構わないかと、こっちが調子に乗るとお説教が始まる。
「お前、ちゃんと理解しとるんか?」
「してます。大丈夫です。模型は模型である限り模型にリアルは求めません。」
私の言葉に悠真がまた更に項垂れる。