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呟き…
第9章 どこまでが浮気…6
しかも、今回もタクシーで来いという内容のメッセージが来てた。
悠真と一緒に行くからと自分の車で行くと相馬さんには返信したが、それ以来の返信が無い。
悠真が言うように招待をしてない人間を勝手に連れて行くと相馬さんは怒るのだろうか?
悠真は前もって言わないと不機嫌になる事がある。
他人が苦手な悠真だから、その不機嫌は私の理解の範疇にあるが、人懐っこい相馬さんの場合では理解不能である。
無難な手土産としてワインを買うてから相馬さんが指定する住所へ向かう。
兵庫の芦屋…。
やはり山手へとナビが私の車を誘導する。
「やばくない?」
運転する悠真に聞いてみる。
「何が?」
「藤井さんの家よりも更に山手やで?」
「結構、不便な地域だよな。坂道だらけでコンビニすら無い街やな。」
「いや…、そういう問題ちゃうやろ。」
「俺、コンビニの無い街とか無理。」
そう言うた悠真がブレーキを掛ける。
「この家らしい…。」
「うげっ!?」
どう説明すべきかわからない。
坂道に沿って長く背の高い壁が私の視界を完全に遮ってる為に家らしい家なんか見えない。
「近くにコインパーキングとかあるかな?」
「コンビニすら無い地域にか?」
悠真が呆れた表情をする。
「悠真が相馬さんに電話してや。」
「招待されたのはお前です。」
「帰ろうか?」
「そうやって逃げんの?」
不機嫌な悠真の嫌味にムカつく。
諦めて相馬さんに電話する。
「家の前まで来ました。」
『ちょっと待っててな。』
相馬さんがそう言う。
3分程待たされる。
少し向こう側に見えてる馬鹿デカイ駐車場のシャッターが開き、相馬さんが顔を出す。