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呟き…
第9章 どこまでが浮気…6



「ここが相馬さんの家?」

「元は爺さんの家、僕の実家は更に山手にあるよ。ここは爺さんが亡くなったから僕が貰ろた。」


大豪邸を貰える人…。

やる事成す事の桁が違う。

廊下はフカフカの絨毯が敷いてあり、土足で歩くのに躊躇いが出る。

廊下から右手に向かえば、やはり絨毯が敷かれた階段が出て来る。


「ここは地下?」

「半地下になるかな?坂道に合わせて建築されてるから普通の2階が1階部分になる。」

「基礎用の盛土が半端ないですね。」

「来夢ちゃんはほんまに建築が好きなんやな。」


相馬さんが1人で大笑いする。

悠真は黙ったまま…。

私は絨毯のせいで感覚が掴みにくく歩きにくい階段を手摺りに掴まって登るのに必死だ。

階段の先は玄関の大広間…。

そこからリビングに移動すればテラスがあり、芦屋の街が一望出来る庭が見えて来る。


「好きなように食べてってな。」


庭にはテーブルがあり、様々な料理が並んでる。

お天気が良いからガーデンパーティーになったと相馬さんが笑う。


「やっほー!」


歩美さんが私の方へ寄って来る。


「今田さんや。久しぶりー!今田さんが言うてた来夢さんって全然違うやん。」


そんな会話が始まる。


「あー?」


悠真は歩美さんにとぼける。


「来夢さんの事を小さいオッサンって都市伝説的な言い方してたやん。」

「だから、そのまんま小さいオッサンやんけ。」

「小さいかもしれんけど普通の女の人やん。」

「この小さいのが建設の工事現場で恐怖のオッサン化するんやぞ。」

「どんなオッサン化現象や…。」


取り敢えず、小さい小さいを連呼すんなと私の中で理不尽な怒りが湧いて来る。


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