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呟き…
第9章 どこまでが浮気…6
「私が行きたいって…。」
「このバンドの世界ツアーに日本は20年以上入ってないって聞いた。行きたいなら海外しか無いけどチケットも即完売やから簡単には行けない。」
「よく知ってますね。」
「今田さんから聞いた話を思い出して色々と調べてみたからね。」
ゆっくりと相馬さんが私の前に近付く。
「来夢ちゃんが行きたいなら連れてってあげる。」
「はぁ?悠真とですか?」
「いや、来夢ちゃんの1人だけ…。」
「お断りします。」
「なんで?」
なんでって…。
普通に断るやろ?
としか私には考える事が出来ない。
「僕は来夢ちゃんを本気で口説くつもりやけど?」
「はぁぁああっ!?」
現場によく居るオッサン並に叫んでた。
相馬さんはただニヤニヤと嫌な笑みを浮かべてる。
からかわれてる。
この人のレベルの違う冗談とか嫌いだ。
「口説かれても迷惑です。」
「なんで?」
「なんでって…。」
「どこからが浮気になるか知りたいんやろ?」
相馬さんの言葉に固まる。
私の質問のせいですか!?
相馬さんから引いてまう。
「まずは、そうやって逃げようとする姿勢を止めようね。一応、僕が傷付くから…。」
いじけられても…。
相馬さんが何を考えてるのかがわからない限り、未知の世界が嫌いな私は逃げ出す構えを緩めない。
「僕ね、女の子を泣かせた事が無いのだけが自慢なんだよね。なのに来夢ちゃんは平気な顔で泣いた。原因は今田さんやろ?なら、口説いたるからさっさと別れたら大丈夫。」
ニコニコとご機嫌な表情をして私の頭を撫でて来る相馬さんにますます混乱してまう。
「全然、大丈夫とちゃうし…。」
相馬さんの手から逃げ出す。