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呟き…
第9章 どこまでが浮気…6
なんで?
こんな話になってんの?
怖くて堪らない。
自分が何か間違いをやらかしたとは思うけど、何がいけなかったのかすらわからない。
「他に来夢ちゃんがやりたい事は?」
相馬さんが穏やかな表情で私の顔を撫でる。
「月に行きたいって言ったら?」
悠真も私の我儘は全部聞いたると言うてた。
だから私は仕事を続けたいと1つだけの我儘を悠真に望んだ。
悠真と私はギブアンドテイクの関係だから…。
私の我儘を聞いてくれた悠真の唯一の我儘が私と結婚する事だった。
この状況になって、やっと私が悠真と結婚する意味を理解する。
相馬さんもきっと悠真と同じ…。
私の我儘を全て聞く。
但し、それを望んだ瞬間に相馬さんの我儘を私が聞く羽目になる。
ならば不可能な我儘なら相馬さんは諦めるかもしれないと考える。
悠真は月に行くのは不可能だと笑った。
これが相馬さんの場合なら?
私のくだらない我儘に
「うーん…。」
と相馬さんが考え込む。
やっぱり不可能だと諦めてくれる?
話を誤魔化して悠真と帰りたいとか考える。
「今すぐには無理やけど、月旅行の予約を出してる旅行会社があるから予約だけならしてあげるよ。」
相馬さんが勝ち誇ったように笑う。
「えーっと…。」
月に行きたいなら相馬さんクラスの男に言え。
悠真が言うてた通りに相馬さんはあっさりと月に行く約束をしてまう人だった。
「その月旅行の見返りで相馬さんは私に何を求めますか?」
相馬さんも悠真のようにギブアンドテイクなんだろうと私の方から切り出す。
「見返り?」
「相馬さんが結婚したいと思う恋人の条件です。」
「ああ…、なるほど、やっぱり来夢ちゃんって変わった考え方する子やな。」
また、クスクスと相馬さんが私の事を笑う。
ただ優しい顔で私を見て笑う。