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呟き…
第10章 どこまでが浮気…7
百合さんや相馬さんが心配する中、私と悠真はギャーギャーと罵り合いながらも、なんとか車に乗り込み相馬家を出る事となる。
帰り道…。
やっと帰れると安堵する私に対して悠真は不機嫌な表情で無言のまま…。
「なあ、悠真…。」
「……。」
「なんか怒ってんのか?」
「別に…。」
と不機嫌オーラを私に浴びせて来る。
しかも、私と話すのが嫌だと言わんばかりの態度で運転中だというのに弟へ悠真が電話する。
「来人が来てくれる。」
悠真の家に帰るまで悠真はその一言しか言わない。
相馬さんの家で悠真を放ったらかしにしたからか?
悠真の不機嫌の理由がわからないと私は小さくなって怯えてまう。
悠真の家に着けば、来人も不機嫌な顔で私を見る。
まあ、弟とはいえ私はこいつのご機嫌な顔を見た事が無いからこんなものかとしか思わない。
悠真の家のベッドに寝かされた私の右足を弟が弄って診察モドキを演じる。
「捻挫やな。」
「それはわかっとる。」
「とりあえず湿布を買って来たから貼っとけ。」
「それだけかいっ!」
当たり前を言う来人にイライラする。
イライラしてるのは来人も同じらしく…。
「大体、姉ちゃんは馬鹿なのか?今は10連休で何処の病院も休みやぞ?馬鹿だよな?ほんまに馬鹿なんだよな。病院がやって無いってわかり切ってて、サクっと捻挫とか普通にするか?」
私の足に包帯を巻きながら来人はひたすら怪我人である私を馬鹿にする。
「うっさいっ!お前はそれでも医者の卵か?」
「医者になるから言ってんだよ。姉ちゃんみたいな迷惑な患者が増えるのはお断りだってな。」
弟の正論に反論が出来ずに泣きたくなる。