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呟き…
第10章 どこまでが浮気…7
私が泣きそうになると、流石の弟も気不味いと感じたのか
「ここのER(救急病院)に俺の先輩が居る。明日の午前中に予約してあるから行って来い。念の為にレントゲンを取ってくれるからな。」
とぶっきらぼうではあるが、私の為にと病院の用意をしてくれる。
悠真だけが不安そうに来人を見る。
「連れて帰るか?」
悠真が来人にそう聞いた。
まだ連休は半分ある。
だけど私が怪我をしたから来人と一緒に実家へ帰すか悠真は迷ってる。
「帰されても迷惑や。」
「けど…。」
「父さんもそうやったけど、姉ちゃんもしょっちゅう怪我しよる。怪我の度に帰されても困るから悠真が介護に慣れてた方がええ。」
「そうか…。」
「病院が必要な時だけは俺が協力したるから…。」
上から目線で話す生意気な来人に悠真は安堵の表情を浮かべる。
その頃の私の右足は信じられないくらいに腫れ上がり包帯が痛いとまで感じる。
「来人っ!」
「包帯を緩めるだけや。」
「ほんまにお前は雑な医者やな。」
「うっ血で腫れてるだけや。所詮、どこまで行っても捻挫やからな。但し、油断はするなよ。腫れが引いて痛みが無くなっても下手に無理して動いたりしたら悪化するだけやぞ。」
一週間は大人しくしろと来人が言う。
来人が帰った後は悠真が私から離れようとしない。
「悠真…。」
「右足だけ象さんになってる。」
「蹴られたいんか?」
「無理に使うなと来人に言われたばかりやろ。」
「左足は無事や。」
そんな会話をしてても、どこか悠真は不機嫌なままで私と話をする。
「悠真…。やっぱり怒ってんのか?」
私の質問に悠真が微妙な顔をする。
私の質問に対する答えに迷う時の表情だ。