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呟き…
第10章 どこまでが浮気…7



「相馬社長と…、なんかあったんか?」


悠真の方が泣きそうな表情で私に質問を返す。

こういう場合、嘘を吐くのは苦手だ。

自分の気持ちを正直に言えば悠真は必ず受け止めてくれる。


「浮気する協力をして貰ってた。」

「浮気って…、誰が?」

「私が…。」

「はあ?」


悠真が変な声を出す。

千代子ちゃんの件で私が結婚に不安を感じた事や自信を失くした事を相馬さんに見抜かれた事実を悠真にわかるように説明する。


「それで相馬社長に口説かれてたってか?」

「あれが口説きかはわかんない。私は口説かれた経験の無い女らしいからな。」

「えーっと…、俺のせいか?」

「まあ、半分はそうなるな。」

「俺形に口説いて来たつもりやけどな。」

「いや…、お前のは口説きになってないからな。」


気付けば一緒に居るのが当たり前になっててお互いが好きだと自覚しただけだから、わざわざ口説く必要がなかった。


「最近、なんか知らんけど相馬社長から嫌味のメッセージばかり来てたんはそういう事か…。」


悠真の不機嫌の原因は私が相馬さんと居ると嫌味のメッセージが悠真に送られて来るからだ。


「百合さんの事もあったから、相馬さんは私の気持ちとかに全く気付いて無い悠真に嫌味の1つを言いたかったんだと思う。」

「嫌味の1つちゃうぞ。10個くらいの嫌味を毎回のように貰ったからな。」

「どんな嫌味よ?」

「飯に行くのに来夢だけしか来ないなら来夢とホテルに行くとか、そんな感じや。」

「それって泊まるのは私だけとか言うてたで?」

「来夢が鈍くて可愛いから口説きなうとか相馬社長は言うてたぞ。」


珍しく子供みたいに不貞腐れる悠真が小さく見えて可愛いとか思う。


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