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呟き…
第13章 大ちゃん…無事に飛行機に乗せよう編
ハワイじゃ自分の食べられる物がなく餓死するかもとビビるお父さん。
「別に来夢が悠真君と結婚してもなんも変わらんねんけどね。」
お母さんはそない言うて笑う。
実家から徒歩5分のところに居る私。
悠真の仕事が煮詰まってる時はフラフラと実家に帰って来る私だから前とほとんど変わらない。
ただ緊張するのが嫌なお父さん。
今は自分の会社の人達に私の結婚式で泣くはずと馬鹿にされた為、絶対に泣かないとムキになってる部分もある。
時間はまだお昼…。
夕方には空港で皆んなが揃う。
夜に飛んで朝にはハワイ。
お父さんとゆっくりと居られるのは今の時間だけ…。
いつもよりも豪勢なお昼ご飯。
冷蔵庫をカラにする必要があるからだ。
「ビール飲んでええか?」
「空港まで運転するからダメッ!」
お母さんに怒られてる。
落ち着かないのだろう。
食事の後はソファーでいじけてタバコを吸う。
そのお父さんの足元に座るのが私の日常。
「なんや。」
「別に…。」
余計な事は言わずに黙って座る。
お父さんも黙って私の頭を撫でてくれる。
お馬鹿だけど私には甘いだけの人だった。
皆んなは怖いとか言うけど私には優しいだけの人だった。
これからも変わらないと思うから余計な事を言うつもりもない。
「タバコ買うからコンビニに行くか?オヤツでも買うたるぞ。」
未だに私は小さな子供扱い。
「行くわ。来人もなんか要るか?」
弟にも聞いてみる。
家族の中で微妙に浮いてる弟はお父さんとコンビニには行かない。
だから聞いてやる。
「俺、アイス。」
本を読みながらの生返事が返って来る。
「ちっとは外に出ろよ。」
真っ黒に日焼けしてる私とお父さんとは違い白い肌の弟にお父さんが言う。