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呟き…
第2章 なるほどね…
「要するにプロット無しやと限界って事か?」
「それはお前次第やな。」
今ひとつピンと来ない。
「なら、書き方は?小説の正しい書き方とか考えるべきなんか?」
「そんなもん考える必要ない。そもそも、その正しい書き方は誰が決めた事やねん。」
「売れてて芥川賞とか取った偉い小説家の人が決めたんじゃないの?」
「そうやって型に囚われるからあかんねん。」
クスクスと笑う悠真が嫌いだと思う。
私とは違う目線で生きてる人。
そういう世界で天才と呼ばれる人は私みたいな凡人とは違うと突き放された気分になる。
「型に囚われる?」
「書き方なんかどうでもええ。」
「そういう訳にはいかんやろ?」
「そこは最後に考えたらええんや。」
「最後?」
やっぱり悠真が言う意味はわからん。
「あのな、SFだって初めて世に公表された時は『こんなのは小説じゃない。』と否定された歴史があるんや。今、流行りの転生や俺強な作品もそう言われた時がある。」
「ふむ…。」
「最後を決めるのは読者や。それを面白いと感じて読んでくれる人が多数派になれば、それは良い作品として最終的に評価される。」
「つまり読まれるか読まれないかってだけか?」
「まあ、売れるか売れないかって事やな。」
シビアだな。
仕事として、そういう世界で生き延びてる人の言葉はシビアで厳しいと思う時が多い。
プロボクサーやサッカー選手と話した時もシビアだと感じた事がある。
見えるのは一瞬。
その一瞬を逃せば後悔するとシビアな場面を教えて貰った。
その一瞬が私にはまだわからない。
「多く読まれる為にはもっと宣伝活動とかが必要って事か?」
勘違いした質問をする。