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呟き…
第4章 どこまでが浮気…1
だけど悠真は違う。
自分のおじいちゃんやおばあちゃんに気を使う悠真。
当然、叔母である知佳さんにも気を使い千代子ちゃんにも気を使う。
悠真にとって家族は私の家族。
うちのおじいちゃんとの方がよほど孫のように悠真は甘える事が出来とったと私は思う。
そんな悠真の気持ちを知らない千代子ちゃん…。
お正月に私と結婚するからと悠真は私を連れて祖父母の家へと挨拶に行った。
学生時代から何度かは来た事のある奈美おばちゃんのご実家だからと私はあまり緊張はしない。
その代わりに…。
「えーっ?悠兄ちゃんが結婚するの?チョコと結婚してくれるって約束してたのに…。」
と言いながら千代子ちゃんが私を睨む。
悠真は何も言わない。
因みに千代子ちゃんはお名前コンプレックスがあり千代子と呼ばれる事を嫌う為、家族や自分自身でも千代子ちゃんを『チョコ』と呼ぶ。
「千代子ちゃんと結婚するつもりだったの?」
私が笑って悠真に聞けば
「千代子って呼ばないでっ!」
と狂ったように叫び出す。
「そんな約束とかしたっけ?」
悠真はとぼけて言う。
多分、千代子ちゃんが小さい頃の話なのだろう。
悠真のおじいちゃんとおばちゃんは笑顔で私と悠真におめでとうを言ってくれるのに千代子ちゃんだけが不機嫌を貫く。
叔母さんがお昼ご飯に出前でも取ろうと言えば
「要らない…。悠兄…、チョコとお外にご飯を食べに行こうよ。」
と我儘を言い出す。
「おじいさん達とご飯をした方が…。」
私が千代子ちゃんの我儘を否定すれば千代子ちゃんは
「来夢さんだけうちで食べればいいじゃん。出前なんかこの辺じゃピザくらいしかないからおじいちゃん達は食べないし…。」
と主張する。