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呟き…
第4章 どこまでが浮気…1
「えーっと…、ライクちゃんやんな。」
とわざとなのか変な間違い方で聞いて来る。
「来夢です…。」
「そうそう、来夢ちゃん。こんな所で仕事?」
「すぐそこの現場に来てました。」
そこまで話せば相馬さんが私の作業服姿を品定めするようにじっと見る。
「いやぁ、今田さんからはちっこいオッサンて話は聞いてたけど、ほんまに来夢ちゃんかどうか迷ったから声掛けるのに悩んだわ。」
相馬さんが私の作業服姿を見て笑う。
誰がちっこいオッサンやねん。
無言のまま私の怒りは悠真に向く。
「仕事は終わったん?」
「いえ…。」
「何時に終わんの?」
「次の現場に移動するんです。」
「ほな、明日は?飯にでも行こうや。僕が誘っても今田さんはなかなか来てくれへんし。」
どうして良いかわからずにアタフタしか出来ない。
「明日も…、仕事なんです…。」
事実だけを伝える。
「えーっ!?来夢ちゃんまで今田さんみたいに僕の事を避けてんの?」
「違います。」
「ほなら、来週の土曜日は?」
来週の土曜日なら休み。
千代子ちゃんも居ないから悠真と行けるだろう。
「来週なら…。」
「ほな、決まりね。来夢ちゃんの連絡を教えて。」
相馬さんと携帯の番号を交換する。
「また連絡するからねー。」
ニコニコとする相馬さんが次の現場に向かう私を見送ってくれた。
次の現場に車で移動する間中、相馬さんの誘いの展開の早さに呆然とする。
「軽いなぁ…。」
それが第一印象だ。
2回ほど…。
それもチラリと会っただけの男の人というだけで私の人見知りが発動する。