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呟き…
第5章 どこまでが浮気…2
私の顔色を見た相馬さんが
「今田さんは本当に仕事?」
とか聞いて来る。
嘘がバレてる。
相馬さんはエスパーかと私の方が狼狽える。
「ソフトドリンクはジンジャエールでええか?」
私が狼狽えるから相馬さんが優しい顔に変わる。
小さく頷けばシェフが私のジンジャエールを用意してくれる。
「海老は好き?」
そう聞かれればウンウンと素直に頷く。
「お肉も?」
好きです。
「サラダは?」
好きです。
「来夢ちゃんは素直やな。」
A5の黒毛和牛が鉄板で焼かれる姿に食いつくように見てる私を相馬さんが笑う。
「だって…、凄い美味しそう…。」
「ちゃんと食べてな。」
「はいっ!」
張り切って返事をしてもうた。
相馬さんが口元を手で押さえて笑いを堪えてる。
「なんか…、おかしいですか?」
人見知りが発動して自分が何か失敗をやらかしたかと警戒心が蠢く。
「いや、おかしくないよ。寧ろ、ええ事やと思う。」
「ええ事?」
「素直なんがええ事や。図々しい子なら頼むだけ頼んで『ダイエット中なの。』とか言うから次は誘う気が起きへんけど素直に食べてくれる子なら次も誘いやすいやん。」
相馬さんの言葉に固まった。
次も誘う?
それはお断りしたい。
思わず二ヘラと微妙な笑顔を相馬さんに向けてまう。
「今田さんて保護者が居らな僕の誘いは怖いとか思うてる?」
食事をしながら相馬さんが確信を突いて来る。
「知らない人が…、苦手なもんで…。」
気の利いた会話とか出来へん。
いつも誰かが話すのを黙って聞いてる事が多い。
仕事で必要な事とかしか話せない。