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呟き…
第5章 どこまでが浮気…2



相馬さんはそうやって壁を作ろうとする私を笑う。


「つまらない子やとは思えんよ。あの今田さんが選んだ子やし。」


悠真の彼女だから?

悠真の彼女じゃなければ私なんか相手にされない程度の存在なのかもしれない。

なんか凹んでまう。


「誤解せんといてな。確かにきっかけは今田さんやけど僕は今田さん抜きで来夢ちゃんには興味津々やったりする。」


相馬さんのフォローにますます警戒心を抱く。

興味津々て…。

確か、この人って女癖が悪いとか聞いたし…。

まさか私みたいなんには興味なんかないやろ?

俯く事しか出来ないつまらない子…。


「あのさ、来週やけど走行会があるんや。」


相馬さんが話題を変える。


「走行会?」

「サーキットでタイムを競う。そういうのが好きなんやろ?」


相馬さんの言葉に顔を上げてウンウンと頷く。


「今田さんが言うとった。この前のラリーは寒かったし部分的にしか見れなかったから来夢ちゃんには辛かっただけかもしれんて…。」

「別に…、辛くは…。」

「寒いの苦手なんやてな?」

「うん…。」

「今度のサーキットはバーベキューとかやるし、僕の彼女とかも来るから女の子向きやねん。」

「相馬さんの彼女が?」

「そう、だから女の子のギャラリーとか大歓迎やから今田さんと観においでや。前回のラリーのお詫びやと思ってくれたらええよ。」

「別に…、お詫びとか要らないです。」

「今田さんとなんか予定とかあるんか?」

「予定はないけど…。」


千代子ちゃんの事で現在、気不味い状況ですとは相馬さんに言えない。


「泊まりになるから着替えとか持っておいでな。」

「泊まりっ!?」


またしても馬鹿みたいに叫んでまう。


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