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呟き…
第5章 どこまでが浮気…2
『わは…、喋り過ぎた。ちゃんと家に着いたなら、それでええわ。ゆっくりと休んでな。』
「今日はありがとうございました。」
『うんうん、また来週な。おやすみ…。』
「おやすみなさい…。」
なんか…。
知らない男の人にそんな挨拶をした事がないから照れ臭くて顔が火照って来る。
電話を切り、慌ててお風呂に入り相馬さんの事を考える。
不思議な人…。
人懐っこいけど図々しいとは感じさせない。
上手く話せない私の言葉をゆっくりと待ちながら聞いてくれる人…。
そんな人は今までにお父さんと悠真だけだった。
悠真…。
悠真と話をしなきゃ…。
そう考えてその夜は早めに寝た。
翌朝、日曜だというのに朝早くから家を出る。
千代子ちゃんはもう居ないはず…。
相馬さんの事を話さなければ…。
来週の走行会の話…。
悠真と行く。
そう思って悠真の家の扉を開ける。
私の期待は裏切られる。
そこはまだゴミ屋敷のまま…。
しかもリビングに居た千代子ちゃんから
「何しに来たの?」
とまで言われる。
「悠っ!」
キレる私を悠真が寝室に連れて行こうとする。
千代子ちゃんの前で話す事を避けてると感じる。
「話をするなら、ここでしろや。」
私は千代子ちゃんの前で冷たく言う。
「来夢…、とりあえず落ち着いて話をしようや。」
ただ悠真は狼狽える。
「落ち着いて?ゴミの中で話をして悠真は落ち着くんか?」
「来夢…。」
いつまでも私との約束を果たそうとしない悠真に気持ちが冷めていく。
私はこんな男と結婚するの?
考えるべきじゃない事まで考えてまう。