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呟き…
第5章 どこまでが浮気…2
だから相馬さんの誘いが断れない。
そんなのは勝手な言い訳だとわかってる。
それでも今の情けない悠真よりも相馬さんと居る方が私の気持ちが落ち着く。
「相馬さんの場合、女の子を口説くのが趣味だとしたら本命が出来ても口説きそう…。」
「そりゃないわ。こいつだけやと思うたら他の女なんか欲しいとか思わん。」
「ほんまに?」
冗談っぽく相馬さんを睨んでみる。
「ほんまや。来夢ちゃんかて、こいつやと思うたから今田さんと結婚するって決めたんやろ?なら来夢ちゃんを口説いても僕は振られるってわかってるから来夢ちゃんは絶対に口説かない。」
違う意味でドキリとした。
別に相馬さんに口説かれたいとは思わない。
寧ろ、口説かれても人間関係が苦手な私は困るだけで迷惑やと考える。
だけど悠真との結婚について、改めて他人に言われるとほんまにそうなのかと疑問が残る。
恋人になりたいと私が願った覚えはある。
なのに、あいつは私の気持ちを尽く却下した。
却下した挙げ句、結婚はしたいのだとあいつの方からプロポーズをして来た。
その時の私は仕事か悠真かを選べと言われて、ばっさりと仕事を選んだ記憶がある。
今だって千代子ちゃんと居るつもりなら結婚しても意味がないとか考えてまう。
「はぁぁああ…。」
有り得んくらいのでっかいため息を吐けば気持ちが一気に落ち込んで来る。
ほんまに、あいつは私だけだと決めたから結婚したいと言うたんやろか?
私は悠真だけやという覚悟があるんやろか?
そういう意味では明らかに相馬さんの方が誠実に見えて来るから不思議で仕方ない。
ポンッと私の頭に大きな手が乗る。
一瞬、いつものように悠真が隣に居るのかと馬鹿な勘違いをしそうになる。