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呟き…
第6章 どこまでが浮気…3
そんな風に歩美さんと色々な話をしてるとトレーラーハウスの扉が叩かれる。
「そろそろ晩飯や。」
私と歩美さんを迎えに来たのは相馬さん。
「圭ちゃん、仕事は終わったんか?」
「日本の市場はな。次はシンガポール市場の方で仕事する。」
ほんまにトレーダーなんだと感心する。
「トレーダーに興味があるの?」
夕食は野外でバーベキュー…。
相馬さんに仕事について質問する。
「興味というか…、色々な人の話を聞くのが好きなんです。」
それは小説を書くネタになる。
人見知りがある私は情報が少ない。
少しでもチャンスがあれば自分の知らない世界を見せて欲しいと願う。
「うちの家系…、ずっとトレーダーなんよ。」
相馬さんが照れた顔で話をしてくれる。
「でも相馬さんの家系って…。」
「財閥なんは本家だけや。うちは親戚って程度やからタイヤメーカーとは関係ない。」
「車屋さんなのに?」
「車屋の方ならタイヤメーカーと普通に取り引きしとるよ。」
意味がわからなくてちんぷんかんぷんだ。
「僕の爺さんがトレーダーやった。んで親父もトレーダー…、だから僕もトレーダー…。」
「トレーダーって…、跡継ぎとかあるんですか?」
「跡継ぎなんか無いよ。一方的に爺さんと親父からやり方を教えられた挙げ句に1000万を渡されて練習しろって言われるだけや。」
やはり1000万なんかい…。
相馬さんは自分自身を庶民だと言うけれど、絶対に庶民じゃないと私の心が叫んでる。
「いつからトレーダーを?」
「小学生の時から練習して、大学に入ってから本格的なトレーダーになった。」
「小学生から!?」
「そうや。世界中で麦を買うタイミングとか鉄を売るタイミングとか色々と教わった。」
話のスケールがおかし過ぎる。