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呟き…
第6章 どこまでが浮気…3



「でも、なんでトレーダーの人が車屋さんを?」


1晩で何千万も稼ぐ人が赤字の車屋さんの社長をやる意味がわからない。


「トレーダーは本職とちゃうから普通の仕事をしろって親父から言われた。因みに親父は高校の教師ってアルバイトをやってたで…。」

「学校の先生のアルバイト!?」

「そう、週3日しか学校に行かないアルバイト教員のくせに僕には本職を持っとけとか言うんや。」


学校の先生をアルバイトにしてしまうトレーダーの息子は父親と同じ様にトレーダーをやりながら趣味で車屋を買ってしまう。


「話について行けない…。」


項垂れた私の肩を歩美さんが叩く。


「だから、この人は変態オッサンやて言うたやん。圭ちゃんの話を真面目に聞いてたら一生懸命に生きてるのが悲しくなるで…。」


長い付き合いの歩美さんもため息を吐く。


「僕を変態オッサン言うのやめてくれ。歩美が行き遅れになった時は僕が面倒をみたるからな。」

「絶対に要らんから…。」


相馬さんと歩美さんが睨み合う。

仲は良いのだと思う。

私と悠真の関係と違う部分は多分年の差があるから恋愛になるのが難しいのだろう。

まして相馬さんの周りに女の人が多過ぎる。

歩美さんが言うにはモデルさんとかネイルアートの社長さんをやってるような凄い女の人ばかりが相馬さんの彼女らしい。


「明日、早いから寝るわ。」


夕食が終わるなり歩美さんや他のスタッフの人達がトレーラーハウスに戻ってく。


「相馬さんは寝ないの?」


空き地に1人だけ残る相馬さんに聞いてみる。


「シンガポールの市場がまだ開いてるからね。」


まだ仕事をするのだと相馬さんが言う。

私と話をするのは仕事の邪魔になるかもしれないと思うと言葉が出て来なくなる。


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