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呟き…
第6章 どこまでが浮気…3
相馬さんに背を向けて立ち去るつもりだった。
「来夢ちゃんも結構冷たい女の子やな。」
変な嫌味を言われる。
「はあ?」
「こんな場所で僕を1人にする?」
「仕事があるんですよね?」
「仕事はやってるよ。」
相馬さんが携帯を私に見せる。
「後30分で市場が閉まる。その間に急変が無いかをボケッと見とるだけなんや。」
「そういうもんですか?」
「そういうもんや。」
これで何千万も稼ぐとか…。
やっぱり理解不能だと思う。
「歩美さんは相馬さんの恋人じゃないんだ。」
なんとなく相馬さんの本音を聞いてみたくなる。
「歩美はまだ口説いてないからな。」
「口説く予定が?」
「今は無い。あいつは仕事が恋人や言う女になってもうたから。」
「仕事が恋人?」
「そや、仕事を辞めたくない女。僕の彼女も皆んなが仕事をしたい言う女ばかり。だから僕はいつまでも結婚が出来ない。」
「相馬さんは仕事を辞めて欲しいんですか?」
「違う。仕事よりも僕と居たいと言える女の子が欲しいと思う。」
そんな女の子は山ほど居ると思うけど…。
私も仕事を辞めたくないと悠真に我儘を言うた。
悠真はそれを受け入れた。
何故、悠真はそれを受け入れてくれたのだろう?
何故、相馬さんはそれを受け入れる事が出来ないのだろう?
ぼんやりと色々な事を考える。
「今田さんと何かあった?」
相馬さんが私の頭を撫でて聞いて来る。
「何も無いです。」
人見知りがある私は、この後に及んで嘘を吐く。
自分の悩みを人に相談とかした事がない。
私の悩みは全て悠真が解決してくれてた。
その悠真には相談が出来ないのに、相馬さんと距離を置こうとする私が居る。