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呟き…
第6章 どこまでが浮気…3
「やっぱり、芯は強い子やな。」
相馬さんが笑う。
「何がおかしいんですか?」
「怖い目をして僕を睨んでる。」
「それが?」
「そんなに怖い顔をせんでも僕は来夢ちゃんを虐めたりせえへんで?」
とぼけた口調で相馬さんは私の神経を逆撫でする。
今、ここに悠真が居ない。
それだけで爆発しそうな気持ちになる。
私を助けてくれる人が居ない恐怖を感じて、ひたすら相馬さんに牙を剥く。
「子猫に噛まれるのは嫌いやないけど…。」
私を落ち着かせる為に振り払った相馬さんの手が再び頭に乗せられる。
「来夢ちゃんは経験不足なだけやな。」
ゆっくりと相馬さんが話を続ける。
緩やかで優しい声…。
お父さんが私にしてくれる宥め方に似てる。
「経験不足…。」
「男に本気で口説かれた事とか無いやろ?」
ニヤニヤとして相馬さんが笑いながら私の顔に前に顔を突き付ける。
「モテない女で悪いですか?」
口説かれた事が無い女は悠真に相応しくないと言われてる気がする。
「モテないからとちゃうやろ?来夢ちゃんの周りの男はガキばっかりや言うてんねん。お父さんが過保護なせいでお父さんにビビって来夢ちゃんを口説けないガキしか知らんみたいやな。」
「はい?」
「今田さんですら、まともに来夢ちゃんを口説いてないみたいやし…。」
「悠真は…。」
「本気で口説いてたら来夢ちゃんがこんなに僕を怖がる必要はない。経験が無いから構えて怖がって逃げようとしとる。」
相馬さんが何を言いたいのかわからない。
私には経験が無い。
相馬さんの言う、女性を口説くという意味が全くわからずに戸惑う。