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呟き…
第8章 どこまでが浮気…5
改めて相馬さんが言うてた言葉が頭を過ぎる。
意味のある我儘…。
悠真は千代子ちゃんからその意味を感じてた。
なかなか本当の事を言わない千代子ちゃんに辛抱強く悠真は付き合い続けた。
簡単に言える訳がない。
まだ高校生の女の子がラブホだけの元彼が怖いから学校に行けないなんて話を家族に相談なんか出来るはずがない。
悠真に対しても奈美おばちゃんにバラされたらとか考えるだけでも恐ろしい。
気付いてやれなかった。
可愛げがなく、我儘な従妹と決め付けた私は千代子ちゃんの我儘の意味を見ようとはしてなかった。
悠真の家族だと自負があるなら、私が千代子ちゃんの話を聞いてやるべきだった。
同じ様な恋愛経験をした人間として、もう少しまともな助言をしてあげれたかもしれない。
「ごめん…、悠真。」
今回は私が謝るべきだと思う。
「別に来夢は悪くないやろ?」
いつもと変わらない笑顔で私の頭を撫でてくれる。
「それで千代子ちゃんと電車に乗るって事か?」
「一応、連休までは朝の通学だけ付き合ってやる。その条件ならチョコも家に帰る言うとるし…。」
「その後は?」
「元彼が電車に乗る時間がわかれば電車の時間をズラすだけや。チョコに話掛けて来る場合はチョコの保護者として俺が近寄るなと言うたる。」
今年は10連休の大型連休だから、そろそろ本気で千代子ちゃんを学校に戻さなければ今後の彼女の人生にも影響する。
悠真はそこまで話をして千代子ちゃんが何故、学校に行けないのかと聞き出した。
「今週中には家のゴミも片付けるから…、連休は帰って来い。」
まだ夫婦じゃないのに…。
逃げた女房を迎えに来た口調の悠真に笑ってまう。