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呟き…
第8章 どこまでが浮気…5



一つだけ言えるのは…。


「このデザインのドレスの場合は胸元を誤魔化す必要が無いんやな。」


と試着しながら呟く事になる。

定番のフレアタイプではブカブカになる胸元をコーディネーターさんが必死に詰めてくれてたがAラインは丈だけで済む。

私の呟きにコーディネーターさんは


「そんな事ありませんよ。」


と再び苦笑いを見せて来る。

図星かい…。

がっくりと項垂れる。


「でも、とてもウエストが細くて羨ましいですよ。」


コーディネーターさんからのなけなしで渾身のフォローに涙が出そうな気分になる。

悪かったなっ!

痩せてるって言えば聞こえは良いがまな板はどうにもならないと肯定しとるだけやんけ。

出来るだけシンプルなAラインドレスを選んだが悠真の希望もあり、ボリュームの足りない部分はフリルで誤魔化す羽目になる。

ティアラに手袋や靴などの付属品も注文すれば予想通り10万を超える買い物になり、私は販売店を出てからため息しか出て来ない。


「サイズが無いからしゃあない。」


悠真が慰めを言う。

180を超える悠真は日本だとオーダーになるがハワイだとレンタルがあるという状況だ。


「だって一回しか着ないんだよ?ティアラなんか捨てるだけになるんだよ?」

「捨てる気かよ…。」

「安物やからな。」

「来夢さん…、一生に一度の経験の割りにはやたらとケチ臭いぞ。」


今度は悠真がため息を吐く。


「だって…。」

「俺としては和装のがいいんだよ。タキシードなんか恥ずかしいだけやからな。けど和装やと来夢の着物のレンタルとか鬘とか着付けだけで50万以上はかかるって言われたやろ?」


今回の結婚をブライダルコーディネーターという人に相談した時の話をする。


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