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はなむぐり
第9章 はなむぐり
桜色のお湯に一緒に浸かり、背中を向けて私に寄りかかる蜜樹の肩にお湯をかける。髪を後ろで一つに結んだおかげで産毛が可愛らしいうなじがよく見え、ぎゅうっと抱きしめれば身体の芯まで温かくなる。髪も身体も洗い、身体中に泡を滑らせるだけでよがって内股を汚していた。
私たちの生活は派手ではないが、お互いを求めるあまり服や敷き布団のカバーを汚すことが多々あり、洗濯の回数は二人暮らしにしては多い方だと思う。だからといって、我慢するつもりなど全くない。
「智さん」
「なんだい?」
私の腕の中にいる蜜樹は私の右手を両手で握り、乳房に持っていった。手のひらに伝わる鼓動は落ち着いていて、軟らかい乳房をくっと掴むと、あと何回蜜樹に触れられるだろうと。現実を忘れずに、蜜樹を守るのが私の全てだ。
「もっと…奥にきてほしいなって…疲れてたらいいんだけど、今日は中にいてほしい。もっと智さんを感じたい。ダメ?」
この頃、私の反応が鈍いことを気にしてくれていたようで、遠慮がちに言ってくれた。私を傷つけないように。気遣う気持ちはずっと変わらない。
「ありがとう。じゃあ、寝るときに蜜樹の中にお邪魔しようかな」
「うん。智さんの元気になるように、蜜樹の口でたくさんやるね。ありがとう…嬉しい」
振り返った蜜樹が勢いよく抱きついてきて、ゆらゆら浮かぶ私のペニスは蜜樹の下腹部に当たる。軟らかいままだが、私の気持ちはこれ以上ないくらい熱くなっていて、ただ抱きしめるしか方法がなかった。