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はなむぐり
第2章 後悔
本当に一日一日変化と成長だらけだった。
アパートの部屋はかつて本当に三人で暮らしていたのかと思うほど、生活感がなかった。蜜樹が産まれてすぐ育児放棄に近く、あとから知ったが離婚するまでたびたび蜜樹は実家で過ごしていたらしい。
私が普通に仕事をして気ままにひとり暮らしを満喫していたとき、兄はもがいていたのだと。最初は両親の反対を押し切って籍を入れたのだから自業自得だと思っていた。しかし、蜜樹の誕生は私の中で何かが芽生えたきっかけだった。
話す言葉が増える。
できることが増える。
間違いに気づいて謝る。
ありがとうと感謝する。
いつしか両親より私と過ごす時間が多くなってきて、小学校に入学してからは勉強を私のアパートの部屋で教えることもあった。
その頃からか。家に帰りたくないと泣き出すようになっていた。