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はなむぐり
第7章 恋いこがれる、はなむぐり
最初は確かに複雑だった。
蜜樹に罪など全くないが果たして受け入れられるだろうか、姪として可愛いがれるだろうかと。
しかし、蜜樹を初めて目にしたとき、抱いたとき。
そんな気持ちなどなくなっていて、たくさん愛情を注ごうと決めた。手にしたぬくもりを全力で守ろうと。
家庭で悩み、兄を思い、私と両親を気遣う人生。
これを恋と言えないし仮に気持ちが同じであっても、どんどん年老いていく私の世話に大切な人生をこれ以上費やしてほしくない。
しかし、もう言い訳などしない。
そう決めたのだから、今日を迎えたのだ。
そばにいることと守ることに制限はない。
暖房が効いた部屋だが腕の中にいる蜜樹は冷たい。
華奢な肩に両手を置いて振り向かせ、ぼろぼろと大粒の涙を流す姪に唇を重ねてすぐに離した。
「私は蜜樹を愛してる。蜜樹は蜜樹のままだ。自分を決して恥じてはいけない。今までの蜜樹をたくさん褒めて、胸を張ってほしい。みんな、蜜樹のことが大好きだ。責めないで。これからの人生に目を向けなさい。私に甘えて寄りかかりなさい」
私の言葉ひとつひとつに頷き、その度に涙が次々と流れ、私は濡れた頰を舐めた。塩辛く、こめかみに唇を押し当てて吸い上げると鼻にかかった甘い声。
「蜜樹、何度も何度も聞いてほしい。その度にたくさん返す。少しの不安もなくすから」
「おじさん…そばにいていい?家族だけど恋人になって…はぅ」
もう言わせたくない。
頭を掴んで唇に噛みつき、お尻を撫で回した。
「私が蜜樹の恋人になる。いいかい?」
蜜樹は頷いて私の顔を掴んで唇を奪った。窓には二人がもつれ合いながら倒れていく姿が映っていて、まるで青緑の湖に沈んでいくようにも見えた。