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はなむぐり
第1章 愛しい花
姪に惚れ込む危ない叔父だと思う。
結婚もできなければ、いやそもそも血縁関係がなくても年が離れすぎている。
一つ上の兄の大切な一人娘を、兄がこの世にいないことをいいことに愛と言って戯言を並べる自分は人間失格だ。
蜜樹は私の胸から名残惜しそうに離れるとくるりと背を向け、深い緑色の布に包まれたお弁当箱を私に渡す。私が作ることもあるが、大半は蜜樹が私と自分の分を作っている。
「今日は寄り道しないで帰って来て。約束は私の勝ちだもん」
無意識な流し目でそう言われ、ただ頷いて玄関に向かおうとすると、勢いよく背中に抱きついてきた蜜樹の強さ。お腹をぎゅうっと握りしめられ、背広に感じる熱い息。
「もう26歳になったんだよ。ずっと待ってた。挿れてほしくて繋がりたくて…抱いてくれないなら中途半端に舐めたりキスしないで」