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はなむぐり
第7章 恋いこがれる、はなむぐり



出し入れの途中で手首を掴んで口から指を引き抜いた。泡立った唾液でまみれた人差し指と中指はきらめき、飴細工のように美しい指を咥えて吸った。蜜樹は片手で私の頭を撫で、吸われている人差し指と中指の腹で舌を揉んだ。こんな愛撫を知らない私は、今まで出会った遠い昔の数人の女性を思い出していた。どう過ごしたかどう終わりを迎えたかも分からない非情な人間だ。

蜜樹が誕生してから、私は今日に至るまで誰ともお付き合いしていない。我慢してきたわけではない。蜜樹という命に替えても大切な存在。愛する存在。きっと蜜樹と関係をもたずとも、私は死ぬまで蜜樹を思い続けただろう。だから、罰といきなり死が訪れる覚悟はいつも。

火照った身体を抱き起こし、胸に抱いて壁に寄りかかった。丸い鼻は私に似ている。私の丸っこい顔のパーツは母譲りのため、彫りが深く切れ長の両目をもつ父の良いところを受け継いだ兄の面影を感じてははっとする。
見とれていると顔が近づいて首筋に埋まる。湿っている髪を指でとかしながら背中を撫でる。しなやかな背骨のラインは私好み。全て、私好みだ。
小さな手のひらは私の胸を撫で、陥没した茶色い乳首が疼いて顔を出したのが分かった。ころころと撫で回され、息が漏れる。喉仏を吸われて肩がびくつき、勃起している乳首へ下りていく唇。
長いまつげが揺れ、右の乳首をつまみながら左の乳首を舐める健気な姿に焦る私が蜜樹の腹を汚す。

熱い口の中はぬるぬるで気持ち良く、時折かすめる前歯が最高に。
カエルのように私にまたがっている蜜樹は品と奔放さが見え隠れしていて愛しい。
右の乳首も忘れずに舐めてしゃぶり、最後に両乳首にキスをしてから腹へと下りていく。たるんだ腹をよしよしと撫で、下腹部まで生い茂る毛を嫌がらずに舌先で掻き分けて愛してくれる。
臍周りも愛され、このまま天に昇っても構わないとさえ思った。

すでに勃ち上がっているモノを見て、私を見上げて笑う。畳に這いつくばってじっくり観察し、袋とペニスの境目を不思議そうに首を傾げて。ゆっくりと顔を近づけてその境目に口を埋め、袋にキスした。

「おぉっ…ふぅ…」

汚らしい場所に美しい顔を深く埋め、蒸れた場所にキスをして。
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