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ふしだら音楽室〜汚された制服〜
第7章 エピローグ〜卒業の音楽室〜
 担任から記念品が配られ、生徒の口からひとりひとり最後のメッセージが語られる。
 最後まで生意気な生徒、涙ぐむ女生徒、笑いを取る生徒のコメントを聞きながら、悠人はなにを話せばいいのか考えあぐねていたが、ごく普通に親への感謝と友人への感謝を述べることができた。

 学級委員が最後の号令をかける。
 クラス一同が「ありがとうございました」と言って拍手をした。
 拍手をしている悠人は鼻腔の奥にツンとした刺激を感じた。
 
 昇降口入り口の横に置かれた卒業式の看板の前では、最後の記念撮影を行う人々で列にならない列ができていた。
 校門前までひろがる広場では生徒と保護者たちが最後の懇親を交わしていた。
 美羽と記念写真を撮りたかったが、ちょっとみたところ発見できなかった。
 きっと友達や吹奏楽部の面々と別れの時を惜しんでいるに違いない。

 悠人も母親に誘われ卒業式の看板の前で一緒に写真を撮らされた。
 親には友達たちと色々あるから先に帰っていてと告げて、遥香との密談へと向かった。
 リノニウムの床材の階段を、キュキュッと音を立てて4階まで昇る。
 お踊り場のすぐ右手に、すべての始まりとなる、あの音楽準備室がある。

 あの時と同じく、音楽準備室の扉がわずかに開いている。
 悠人は漠然とした不安を抱いたが、今さらなにを見ても驚くことはないかとばかりに扉を開けた。

「あ、中村君! やっと来ましたね」

 戸口へと振り向いた美羽が満面の笑みを浮かべた。
 制服のブレザーには乳房のふくらみはわずかにもなく、小ぶりだが肉感的な尻肉のシルエットもプリーツの利いたスカートに隠されている。 
横に立つ女教師に比べたら出るところがどこもでておらず、貧相で未発達な体躯に見えてしまうが、それでも悠人にとっては誰よりも愛おしい女神に見える。
 美羽にやっと会えたという悦びに頬が勝手にほころんでしまう。

「それじゃぁふたりが揃ったからはじめましょうか」

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