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愛することで私たちは罪を犯す
第1章 1. 悲劇の序章

「あー!!いいなーコーヒー!!クマさん、俺にも入れてくださいよー」
「女にキャーキャー言われて鼻の下伸ばしてるヒョロ男の童顔にはコーヒーなんていれん!」
「あ、ひどい。気にしてるのに」
「悪口のオンパレードだったね、いま」
ガハハと豪快に笑う田隈に、頬を膨らませて怒る一ノ瀬を見て、ふふっと笑いあう鶴橋と琉泉。
ちなみに、琉泉の隣にいる一ノ瀬は琉泉と同じ25歳。
最近の悩みは童顔のため、お酒を買うときに年齢確認をされることだそうだ。
現在、副社長である響についているボディーガードは、田隈、鶴橋、一ノ瀬、琉泉、そしてまだ出勤していない三嶋 太郎(29)の5人。
チーフの田隈の性格もあってか、このチームは比較的仲が良く信頼関係もあって、とても働きやすい。
まぁ、それぞれが大分キャラが濃いのだが。
「そろそろミーティング、始めるよ」
そう言って鶴橋が印刷した書類をみんなに配る。
「あー、三嶋さんがまだ来てないんすけど」
「アイツはいつものことだろ。悪いが佐伯、お前あとで三嶋に…」
「ミーティングの内容、伝えておきます」
「あぁ、頼んだ。よし、じゃあ始めるぞー。まず、今日の副社長の予定だが10時に……」
こうして、琉泉の一日は始まった。

