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愛することで私たちは罪を犯す
第1章 1. 悲劇の序章

ーーーSide of Kyoーーー
最初の印象は、小さくて細い子だった。
肌は白雪のように白く、ぱっちりしているわりに意志の強そうな目。
花がほころぶように笑う姿。
惹かれないわけがなかった。
河原町に向かって高速道路を走る、車中。
響は前の助手席に座る琉泉を見た。
(白いな…)
髪をオールアップにしているため、首筋から鎖骨にかけてあの頃と変わらないきれいな肌が目に映る。
護衛としてしっかり鍛えているからか、初めて会った時ほど細くはない。
でも男の響と比べたら、やはり小さくて華奢だ。
本当は、危ないことをしてほしくない。
それも、自分を守るためになんて。
だからといって、彼女を自分から手放すことなんて、到底できない。
琉泉が今、この八神家にいるのは「護衛」という名目があるからだ。

