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愛することで私たちは罪を犯す
第2章 2. 偽りの世界

「男か?」
「まさか!あんな凶暴な女に男なんてできないですよ!!」
「いや、分からないでしょ。警備課では結構人気あるんだよ?佐伯さん」
「えっ、そうなんすか!?」
本人がいないのをいいことに、あーだこーだと話を進める3人に、呆れ顔のままの三嶋が話に合流する。
「今日は厄日?さーちゃんもそうだけど、副社長もあんな感じなのよね…」
どうしましょうと言うようなニュアンスで頬に手を置きため息をつく三嶋。
ちなみに彼は、オネエだ。
モデルのような長身に、肩くらいまであるサラサラの茶髪を一つに結んでいる。
とにかく美形で儚げな印象があるが仕事はしっかりとできるので、オネエについては誰からも黙認されている。
その三嶋の話に鶴橋と一ノ瀬がつかさず喰いつく。
「え?副社長も…って…」
「…あんな副社長、初めて見たわよ。いつもなら30分で終わる仕事を、2時間くらい経っても終わらせてなかったんだから。身に纏ってる空気も、いつものピリッとした感じじゃなくて、ぼーっとしてるような感じだったし」

