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愛することで私たちは罪を犯す
第2章 2. 偽りの世界


信じたくない。

聞きたくない。

知りたくない。

でも、心が拒否する一方で、「あぁ、だからか」と納得してしまっている自分がいることを、琉泉は理解していた。

(私が拾われたのは、会長の好意なんかじゃなくて、私を監視するためだった)

(それはそうよ。あんなに大きな企業をほぼ1代で築いた人だもの。私を育てるに値するメリットがなければ、好意で孤児を拾うなんてことしない)

「私はあの男が…あの一族が憎い。とても憎い。大切な弟と優しい義妹を殺し、可愛い姪まで奪った、あの男が」

拓武の瞳に憎悪の炎が灯る。深く、深く、消えることのない感情が、琉泉にも流れ込んでくる。

(私の両親は…会長に殺された)

顔も覚えていない両親が殺されたと言われても、正直実感は湧かなかった。

拓武のように、肉親を殺されて感じる強い憎悪は抱いていない。

だが、どうしても拭えない虚無感を、ただただ身に宿していた。

(私の両親を殺したのが…私を育ててくれた人…)

自分の親代わりだった人の、暴いてはいけない秘密を知ってしまった、というような心情だった。


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