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愛することで私たちは罪を犯す
第1章 1. 悲劇の序章


琉泉と響の部屋は、八神家の本邸から少しだけ距離のある離れにある。

といっても、同じ敷地内にあり、本邸までは廊下で繋がっている。

これは響の意思で、響曰く「人が少ない方が落ち着くから、自室は離れがいい」らしい。

離れといえど、その大きさは一般的な一軒家と変わらないほどの広さで、2LDKの二階建てだったが、誰も住んでいない。

流石に御曹司であり次期社長でもある人間を離れに一人で放っておくわけにもいかず、八神家は隣室にボディーガードをつけるつもりだった。

…のだが、「むさい男たちに監視されて生活するのも、真っ平御免だ」と本人が言い放ち、結果的に琉泉がこの離れの一室に住むことになったのだ。

ちなみに、この件に関して琉泉は拒否権を持っていない。

というより、拒否する間もなかった。

気付いた時には全ての家具や服などが、元いた本邸の部屋から移動されていたのだ。

つまるところ、この離れには実質二人しか住んでいない。

そのため、朝は本邸まで出向き、朝食をとってから仕事へと向かう流れが日常だった。

いつもなら響と共に本邸へ向かう琉泉だったが、今日は悪夢を見て寝坊してしまっていた。

肩甲骨くらいまで伸びた黒髪をお団子にまとめ、動いても落ちないようにピンでしっかりととめる。

服装はいつもと同じ、黒のパンツスーツにヒールの低い黒のパンプス。

オシャレとは無縁の世界で生きてきた。

キラキラしたものに魅力を感じなかったわけではなかったが、自分はどこかのOLさんとは違うのだと言い聞かせることで、いつのまにかその感情は薄れていった。

琉泉はメイクの仕上げにダークレッドのルージュを控えめに引いて、本邸へ足を向けた。


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