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愛することで私たちは罪を犯す
第1章 1. 悲劇の序章


(響のお母様は、響が10歳の時に亡くなられたのだっけ…)

そんなことを考えながら、響のグラスが空になったのをみて琉泉は水を入れる。

「おい」

「はい?」

「…何回も言わせるな。お前はそんなことをしなくていいんだ。使用人じゃないだろう」

声から不機嫌さがにじみ出ている。

先ほどの笑顔とは別人のような表情に、琉泉は軽くため息をついて静かに答えた。

「何回も言いますが、私は会長のご好意でここに置いてもらっているだけで、立場としては使用人と変わりません」

琉泉は会長である偀の好意で、高校まで出してもらっている。

偀自身は何も返さなくていいと言っていたが、そんなわけにはいかない。

八神家に住み始めてから、琉泉は少しでも役に立とうと使用人の手伝いを学校以外の時間はずっとしていた。

それでも、使用人として、ボディーガードとして両方で八神家に尽くしても足りないくらいだ。

だが、琉泉が使用人の真似事をするのを、響はよく思っていないらしい。

「お前が使用人の真似事なんてするな」と何度も言われた。

今でもそれは変わらず、言われ続けている。

琉泉も大概頑固なため、譲らない。

さっきの会話がここ数年の間続いているのも、周りはみな知っているほどだった。

「ご馳走さま」

響は綺麗な所作でナフキンをたたみ、席を立つ。

使用人云々の話はもう終わりらしい。

「琉泉、10分後に出る」

「承知しました」

響の専属ボディーガードである琉泉は、当たり前だが、響の行き先に必ずついていく。

そのため、毎朝同じ車で一緒に仕事場へ向かうことになっている。

朝食の片付けを軽く済ませ、琉泉は外へ向かった。

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