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熱血!風俗嬢
第1章 熱血の1、業界初、風俗嬢兼店長誕生!?
「お前なぁ、引退してずいぶん経ってるとは言え元ボクサーなんだ…加減を考えろよ…一発たって相手、前歯7本と鼻骨完全にイッちゃってんだよ?」

店長の突然の逮捕劇に全く状況が飲み込めないマキは、ギャル風の女に身を寄せた。

「ねぇ…店長いきなり逮捕されちゃったけど…私達どうなんのかな…?」
「でも、ストーカーボコってくれるなんてイイ店長さんですよね」
「そ、そういう観点…?」
「待って店長っ…!店、どうすりゃイイんスかっ…?店長いなかったら俺っ…」

山ちゃんが取り乱す中、店長はプレイルームの個室がズラリと並ぶ通路に向かって、

「お~い!ひなた~っ!後、任せたぞ~っ!」

とドスの利いた声で叫んだ。
山ちゃんはキョトンとした顔で、

「えっ?ひなたさん…が、どうしたんスか…?」

と漏らし、マキとギャル風の女は、

「ひなた…って誰…?」
「ベテランのキャストさんかな?」

コソコソとそう言い合った。
すると一番手前の個室のドアがゆっくりと開き…

「うえぇぇぇ~っ…店長…ゴメンねぇ…!私、頑張るからぁ…!あうう~っ…」

そこから身長150cmにも満たない小柄で幼児体型の少女が、これまた幼い造形の顔を涙と鼻水でビショビショに濡らしながら現れた…。
ミントグリーンの下着の上にシースルーのキャミソール姿という、いかにも風俗嬢といういでたちありながら、前髪をピンで留めた7・3分けの茶髪のショートストレートという髪型がその幼さに拍車をかけていた。

「こ、子供っ…?!」
「えっ?大丈夫なの?コレ…」

少女は嗚咽を堪えながら「はぁっ」とひとつ大きく深呼吸すると、

「たっ…ただいま店長に任命されたひなたですっ…!グスンっ…」

大音量のBGMに負けない甲高い涙声で高らかに宣言した。

「あ、あの人がひなた…さんっ…?」
「ウソっ…?」

すると、他のキャストがそれぞれの個室から次々と顔を覗かせた。

「ちょっ…何でっ…?」
「どういう事…?」
「何でひなたが店長すんのよ…?」
「店長、アイツのせいで捕まるんでしょ…?」
「こういう時ってやっぱ山ちゃんが仕切んじゃないの?」
「いや、純さんでしょう…?」
(こんなお子様みたいな子が…風俗嬢…ってか店長…?)

付け焼き刃で身に付けた風俗業の知識とイメージを根底から覆されたマキは、軽い立ち眩みを覚えてドアの枠にしがみ付いた。
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